プロダクトアウトの営業が多いなぁ…
「まだまだ」
とか、
「いつまでたっても」
といった修飾語をつけたほうが、より腹に落ちやすいかも知れません。
タイトルの文言には。
本日は午後から夕方の時間帯に、ひと組のご夫婦とお会いしていました。
建築会社選びのコンサルでお手伝いさせて頂いたお客様なのですが、無事お気に入りの会社様と出会う事がかない、来週から着工に入るご夫婦なのですね。
そのお二人に、弊社サービスのご感想をおきかせ頂いたのです。
いろいろとお聞かせ頂き、提供サービスにも有難くもご満足いただけたのですが、その理由を伺ったところ、
「自分たちの好みを訊き出してくれて、ピッタリ合うところを紹介してくれた」
とのコメント。
後者は良いんです。
「ピッタリ合うところを紹介」することが、正に弊社サービスのストライクゾーンど真ん中の部分ですので。
私が光栄に感じつつ同時に「?」とも感じたのは、前者の
「自分たちの好みを聞き出してくれて」
なのですよね。
そうなのです。
そもそもこちらのご夫婦、最初に弊店を訪れて頂いたのが、大手中心に何社かモデルハウスを見学された後での事でした。そしてその時のモチベーションは、「お疲れモード」満点の状態だったのですよね。
改めてその時のエピソードや心理状態を思い出しながらお話伺ってみると、
「家づくりが楽しくなくなってきていた」
「休日のたびにモデルハウスに行くのが億劫になってきていた」
状況に陥り始めていたのです。
その要因を伺うと、
どこに行っても
「我が社の家づくりはここが良いのです!」
「家づくりの事は誰よりも私が知っていますから!」
など自社や自分を売り込むアプローチが多く、
「(自分たちの)好みを訊くふりして、結局自分の話したい話にもっていく」
のだそうだ。
床暖房がもともと良いと言っていたのに全く異なる暖房機能をアピールされたり、
注文住宅と言っているのに建売住宅を勧めてきたり、
「わたしたち、(要求された)アンケートに書いたよねぇ…」
とモチベーションもダダ下がりに…。
またこちらのご夫婦にとってもっとも嫌だったのは、
「急かされる事」
なのだそうだが、どこもここも、
のオンパレードだったそう。
自社の業績アップに忠実で、自分の業績評価に敏感で、ひいてはそれがお客様ひと組ひと組のマイホーム実現を早期に達成する事につながる。
論理展開上は正しい事ではありますよね。
ですが、お求めになる側、依頼主となる側が、気持ちよくご納得いってこそのスピードだと思うのですがね。
ちなみにこちらのご夫婦の場合の「気持ちよく」なるポイントの最初の入り口は、
「自分たちの好みを訊き出してくれる」
ことだと思うのです。
何故それが最初の段階でできないのでしょうね。
提供する商品サービスは、「注文」を請け負って形作る住宅を扱う立場なのにも関わらず。
またAIという人工知能ではなく、
間合いや空気を感じ取りながら、適切な対応を選びながら行動変化できる事こそが、
生身の人間が担える部分のはずなのですが。
そう言えば、以前もある会社さんで施工されたオーナーさんご家族から相談された件も、随分と会社側の事情を「プロダクトアウト」したコミュニケーションが原因だったりしたこともありましたっけ…。
この件は、またの機会に。
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どっちの「道」を選択するかで、進化か退化かが分かれる
「おっと、そう来たか!」
「えぇ?そんな対応で済ましてしまうんだ⁉」
いわゆる「想定外」の事態が発生するってことは、まま、ある。
ここ最近も、現実的に結構ありまして。
もちろん、仕事上の事で。
「我がコト」サイドと、「取引先」サイドと。
1つ1つの具体的な話には触れません。
「想定外」と書きましたが、言い換えるなら、
「思っていた通りに事が運ばなかったこと」と言っても良いと思います。
いずれにせよ、そういう事態に直面した時、大事なのは、
どう対応したか(するか)、
という事だと思うのです。
「そう来たかぁ…困ったなぁ~(苦笑)」と言いつつ、
事態を引き起こした本質課題に向き合い、改善策を練っていく者。
「そんな方法もあるのかぁ…なるほどな~(汗)」と言いつつ、
従来と大差ない範疇で判断して「これが最善策です!」と収束させてしまう者。
「どこ向いて仕事に取り組んでいるのか!」
とは、組織の上長的視点なのかも知れません。
経営アドバイザーのフレームでこの事態を捉えるならば、
SWOTの「T」=Threats「脅威」…
そして「O」=Opportunities「機会」、
これらの観点が頭に浮かんできます。
組織も事業も人も動物も、いつの世も環境の中でしか活動することは出来ません。
そしてその「外部」環境は、常に変化していきます。
つまり、環境の変化をビビットにキャッチし、変化に対応していくことで進化していかなければ、生き抜く事は出来ません。
ビビットにキャッチした環境変化については、「脅威」だろうと「機会」だろうと、
この場合は大した問題ではありません。
変化(に伴う努力や苦労)をいとわず進化する
要は、そういう事だと思います。
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実に、もったいない
先日、札幌市内で英会話教室を運営する企業さんのTOPを表敬訪問。
家づくりの紹介コンサルを「業」としている弊社とはターゲットカスタマがリンクするため、なんらかコラボによるシナジーがありそうと考えたのがきっかけ。
ですが、良い意味でその期待は裏切られました(笑)。
先方様のポリシーもあり、「提携話」は早々に撤退(笑)。
そのかわり、当教室の「売り」をお聞かせ頂くうちに、話の流れは徐々に教育論やマーケティング論の方向に…
こうなると、もはや私も黙ってはいられません。
学生時代は教員免許取得のため、体育会と掛け持ちで専門学部外の教職課程単位を30単位も取得し、学部4年次の後期まで単位取得に勤しんでいた身。
前職時代の最長キャリアは高等教育機関の募集広報戦略策定の部門に15年従事。
こう見えても(どう見えてる?)、日本の人材育成を想い、教育カリキュラムの課題感を憂い、「青い」ビジョンを描いていた身なのです。
件の英会話教室に話を戻すと、先方の話を伺うにつれ、その最大の特徴はどうも、
教育メソッドと分解型化されたカリキュラムにありそう。
教室運営されているのだから「それはそうだろう」と考えがちだが、必ずしも全ての教室や教育機関が、教育プログラムでガチンコ差別化しているわけではない。
立地だったり、先生というヒトだったり、ポイント事前購入という制度だったり、…etc
けどここの教育メソッドは、
ネイティブの先生がある事情の下、子どもが言語を発する仕組みについて真正面から向き合い、探り、研究する必要に迫られる中で、何年にもわたって練り上げられてきたノウハウが根本を成している。
そしてカリキュラムは、
「英語とはツールの1つに過ぎない」「子どもには(成長のために)ほかの事にもたっぷり時間を費やしてほしい」とのTOPの想いが込められた時間配分が反映されている。
幼少期から通ってきたという少女のVTRを拝見させて頂いた。
会話が流ちょうなのは当然。
大人相手に語るエピソードが、理解力や咀嚼力、「伝わる」事を意識したコミュニケーションに満ち溢れている。
なんでもこの子の場合、14歳のときに学校英語を中学校で学んでいた際、自身が幼少期から身に着けてきたこの教室での教育プロセスの、その正しさのようなものに確信を得、それが自信となり、そこから急激に英語の実力が急成長を遂げたのだという。
teenという多感な時期に得た気付きが自信を成し、急成長を遂げ、人格形成の端緒となる。
もはや「英語教育」という枠組みを超え、
少女の成長STORY
日常から得られる人生の教訓
社会人としての礎を育む
…
人間ひとり一人の「成長成功体験」ストーリーの宝庫なのである。
本blogのタイトルが、ここでつながる。
こういった独自性や強みが、見えてこないのだ。
当スクールの生徒募集パンフレットをなんど見ても、読んでも!
表現されていないだけなのか?
いや違う。
深掘りされていないのだ。
何が?
3C4PのCの1つ、Company(自社の強み・独自性)が。
そもそも(制作サイドに)、その視点(3C4P)はあったのか?
あったとしても、はたして出来たのだろうか?
「傾聴力」
WHY?を3回繰り返す「ヒアリングスキル」
唯一絶対の強みや差別化ポイントを見抜く「洞察力」
世間一般スタンダードの「相場観」
まだまだ要因はありそうだが、
凡そ課題の本質はこの辺りにありそうだ。
魅力を引き出す側(プロデューサーや平たく言えば営業担当者)や、
魅力を表現する側(制作者)に
これらのスキルや経験が乏しいと、こうなってしまうという典型例のような気がする。
そう言ってしまうと、キャリアが足りないうちはいつまでたってもベテランに太刀打ちできないではないか?
元も子もない?
いえ、必ずしもそうとは限りませんよ。
スキルや経験が浅いキャリアしか持ち合わせていない場合は、
それこそ、
…この辺については、また別の機会に話しましょう。
あるスタンスさえ持ち合わせていれば、何とかなりますよ。
それにしても、実にもったいない。
魅力的な実力が、等身大を通り越し過少表現して伝わってしまっているではないか。
何とかならないものか…。
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結果に表れる、徹底力の差 ーCI活動
業界トップクラスの企業に訪問した。
誤解を恐れず言えば、
「黙っていても(お客が)集まる状態にはなった」
ステイタスに既に位置する企業である。
小一時間ほどの滞在で、その秘訣がわかった。
徹底力である。
まず、通り過ぎる従業員さんが、挨拶を欠かさない。
一人たりとも漏れなく、である。
しかしながらその挨拶のスタイルは様々だ。
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ~」
「(場の空気を読んで)…会釈のみ」
故、逆に自然体の様として伝わってくる。
服装にも清潔感が漂う。
季節外れの重たい色を配したものは見当たらない。
しかしながら、こちらもスタイルは様々だ。
ジャケパン、丸首、ウォッシュト…
ご挨拶程度だったが、代表取締役社長の登場でも「答え合わせ」ができた。
シニアのトップ自ら、クールビズを着こなされていた。
聞くところによると、これらインナーブランディングからはじまるCI活動は、
ご子息にあたる取締役副社長の陣頭指揮でなされているようだ。
推測だが、恐らくはこの副社長自らが、父親でありトップの社長様にクールビズの徹底を依頼したのではないだろうか。
繰り返しになるが、徹底されている。
CI(コーポレイトアイデンティティー)は、
CI「活動」と言われるように、
導入してからのインナーブランディングの徹底によって、結果に差が表れる。
私が気付いた範囲だけにおいても、この企業さんの場合は少なくとも、
BI(ビヘィビアアイデンティティー)
VI(ヴィジュアルアイデンティティー)
この2つにおいては、浸透の徹底さが感じ取れた。
この業界は、事業構造とマーケット構造の2つの観点において、
ニッチマーケティング
ポジショニング
が極めて重要。
言わば、最初に「とったもん勝ち」なのである。
この観点については、別の機会に改めて解説を。
「神は細部に宿る」
なのである。
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母が、現れた!
…なわけ、ないんですけどね。
先にオチを言ってしまうと。
母は、6年前に他界しています。
5月に胃がんがステージ4で見つかり、4か月後の9月に逝ってしまいました。
なので、「なわけない」のですが、
そっくりだったのですよ。
cafeにソフトクリームを召し上がりに来店された方が。
近くの施設に入所されているそうです。
近所の郵便局まで用を足しに歩いて出かけられ、その帰りにお寄り頂いたそう。
常日頃健康のため、施設内では自室の7階からロビーまでの移動を階段の昇り降りされるそうで、1日3,000歩が「ノルマ」だそうです。
今日は郵便局までの往復で、既に2,800歩までクリアできているそうです(笑)。
ソフトクリームのオーダーを頂きましたので、
「ミルク味でよろしいですか?」とお尋ねしたところ、
-ほかに何か違うのあるの?、と。
「生チョコがあります」とお伝えすると、
-じゃあ、チョコにするわ。
-チョコは老人には良いのよ
「へぇ~、カカオが血流とかに良いんですかね?」
-かも知れない。テレビで見た事あって…
などと会話しながらチョコのソフトをご提供。
-お値段は一緒なの?
先の会話の直前、申し伝えようとは頭を過ったのですが、会話の方の「流れ」を尊重し、そのままチョコ味を巻いていました。
「…30円違います」
-駄目よ、先に言わなきゃ!(苦笑)
-商売なんだからさ!
背格好も年の頃もそうなのですが、決め手はこの会話でした。
「似ている!」と確信したのは。
ハッキリと物をいう性格だったのです。
私の母親も。
もう、胸がキュンです(死後?…苦笑)
もう一度言います。
お伝えしなければ、とは思っていたのです価格の違いを。
ですが会話の流れの方を、良かれと思って尊重し、巻いてしまったのです。
しかしそこですかさず「ダメよ」と指摘して下さるこのストレートさ。
もう「胸キュン」です(笑)。
そこからは止まりません。
お子様は男の子2人に恵まれ、次男坊さんは私と同い年!
高校は函館ラサールだったそう。(優秀!)
長男坊さんはラサールと函館中部の両方に合格したのですが、大好きな吹奏楽を考えたときに迷わず中部を選んだそうです。
旦那さんは歳75の時に先立たれたそうです。
歌は演歌はイマイチで、ここ最近は林部智史と半崎美子ばかり聴くのだとか。(知らなかった!このお二人とも)
歌詞が良い歌じゃないと、心に響かないからあまり好きになれないんですって。
好きな歌を歌う事は、声の張りと肺の動きを維持するため「大事なのよ♡」、と。
「ごもっとも」
etc.、エトセトラ、えとせとら…
ーあら、いま何時?
ーあなたもお仕事あるの?
ー帰るわ
そ、そ、そっくり!
こころ洗われるひと時でした。
開店後早々の時間帯。
仕事も当然ありましたが、たっぷり1時間、お話しさせて頂きました。
お相手が何をお求めになっていらっしゃるか。
お話相手を欲していらっしゃったのだと感じました。
私も、そんな気分でした。
タイミングが合ったのです。
口先から出てくるセリフと、意図している事が、必ずしも一致するとは限りません。
むしろ、想いや意図が、全く異なるところにあったりする場合の方が多いのかも知れません。
ビジネスや事情などが絡むと、ましてやそうです。
ですがその意図や真意など本音には、相手の立場に立ち切ってみないと「辿りつけ」ません。
想像しないと、「辿りつけ」ません。
慮らないと、「辿りつけ」ません。
今すぐ返したい答えがあったとしても、
耳から口の最短距離を選択する前にグッと堪え、
耳で聞いたセリフを脳を通過させ、腹まで落として丹田のあたりまでグルっと敢えて遠回りさせ、思慮することが必要だったりもします。
時には敢えて時間を置き、熟慮に熟慮を重ねることが必要だったりもします。
年齢やキャリアに差のある相手と対峙するときは、ましてや、です。
日常の忙しさなど事情が絡むと、「正直めんどくさい」ことがほとんどでしょう。
ですが、そうやって考え抜いて選んだ行動の先にこそ、
本当の信頼関係が生まれてきます。
常にそう考え大事にし、
しかしながら業務など事情や合理性・効率性とのバランスを考慮しながら生きているつもりの自分ですが、
今日は「そっち」を選択してみました。
そうか、こんどの9月は、亡くなった母の7回忌だ。
お帰りになったお婆様の背中を見送ろうと店を出てみたが、
どの方向を探してもその姿は確認できなかった。
今の自分に何か伝えたくて、フラッと現れたのだろうか…
あの世から母が…
まさか…な(笑)。
変化できない「人罪」と変化を採りに行く「人財」
「融通の利かない設計士がいてねぇ…」
先日訪問した取引先(工務店)において、現場責任者さんがおっしゃった課題感。
何でも、
・営業現場の声を聞き入れない
・見込客のニーズを取り入れようとしない
のだそうだ。
さらに、「働き方改革」のもと有給休暇をGW期間中に5連休で取得するらしく、その結果GW期間に商談する見込み客へのプラン出しが通常のスケジュールより1週間以上遅くなるとのこと。
住宅業界といえば、GWなどの大型連休や週末土日は書き入れ時。
ほかの建築会社と競争しながらお客様から成約を獲得しようとするならば、お客様のニーズ(ウォンツ)や声を反映した(超越した)プランを競合他社に先駆けて提案することで、自社に対するマインドシェアをアップしようとするのが常套手段。
もちろん、それをマネジメントしきれていない会社側にも課題はある。
私も思わず、
「失注調査でも行ってお客様の生の声を聞かせてみてはいかがですか?」
「(設計士)本人にしてみれば、お客様の声ではなく営業担当者個人の要望と聞こえている可能性があります」
と、一つの解決手段をお話ししたりもした。
「(いつも)言ってるんだけどねぇ…」
「どこかに気の利く(先回りできる)設計士がいたら採用したいよ!」
と、ご責任者様の結論。
つまるところこの設計士さん、変わろうとしないタイプなのだ。
恐らく。
何事も、長所と短所、強みと弱みは表裏一体。
こういうタイプは、
・専門特化した仕事を深掘りする
・同じ業務に長時間従事することを苦にしない
・一人で黙々と取り組める
といった強みを見せる反面、
・フットワークが悪く変化を受け入れがたい
・(常に)変わらない自分を、価値として他者に受け入れてもらいたい
・保守的で他者の意見を跳ね返す傾向が強い
などといった、もったいない側面を露見する。
このケースの問題は、その設計士が、
外の声に耳を貸そうとしないスタンスだ。
もっと言うなら、外部環境の変化を認識していない(キャッチアップできていない)視野の狭さである。
既存の価値観で成り立っている環境に身を置くと、
いや、
その環境に身を置く事に居心地の良さを感じてしまうと、
気付かぬうちにあっという間に、保守的で意固地になってしまう危険性をはらむ。
一方、
そんな事を考えていたある日のある打合せで、同じ業界の別のヒトから驚くコメントを耳にした。
「わたし、もともとは建築というものに興味がなかったのですよね(笑)」
独立して自分の腕一本で食べていっている一級建築士さんで、
北海道から某賞を受賞した経歴の持ち主である。
北海道で学力TOPの総合大学を出た方なのだが、よくある話なのだが、
お勉強がある程度できて理数系が得意だったため、理系学部のあるその大学を進学先として考えた際、(何となく)建築学科を選んだそうなのだ。
入学当初は、周りの同級生の知識に圧倒され、
「おっと…これは、間違ったところに来てしまったかも…汗」
とも思ったようだ。
しかしその後、
「とにかく世界中の歴史的建造物を見て回るといい」
との研究室の教授からの教えを柔軟に聴き入れ、アルバイトでお金を稼いでは世界各国への見分旅行に出かけまくったそうだ。
実際、スペインをはじめ各国の歴史的建造物に触れていくうち徐々に建築の世界にはまり込み、結局は建築家への道を歩むこととなる。
ハウスメーカーでキャリアと実績を積み上げ、
その後独立して一級建築士事務所を立ち上げる。
独立後、手始めの仕事として建てられたモデルハウスは、
その独創性が評価されて北海道からの表彰を得ることに至る。
こちらの、(ある意味)成功したケースのポイントは、
「もともとは興味がなかった」という、いわば既存業界の常識を持ち得なかったポテンシャルの持ち主が、しかしながら、
・他者の意見を柔軟に受け入れ
・フットワーク良く世界中を見て回る
ことにより、
その既存業界に新たな価値をもたらしたことにある。
ふと打合せのシーンに視点を戻すと、
その一級建築士さんの手元には、昨今の建築にまつわる書物が多数携えられていた。
どうやら常に勉強し、自身をアップグレード(アップデート)させているようである。
ご実績とはかけ離れた愛嬌満点の笑顔と共に放たれる
「こういう変わった建築、面白いでしょう⤴(笑)」
のコメントからは、
変化し続ける(アップデートされる)自身が評価されることを望んでいるようにも感じられる。
高校生くらいだったろうか、英語の授業で習った慣用句を思い出した。
‟A rolling stone has no moss.”
「転石苔むさず」
なのである。
あ、我々が習ってきたのはアメリカンイングリッシュね。
つまり、ポジティブ解釈の方よ。
この場合の「シメ」は(笑)