便利さと豊かさ

先週号の日経ビジネス

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特集記事が興味深かった。

「第4次産業革命」到来と言われるAI・ロボット技術。

ある調査では、日本の仕事の49%分(正確には労働人口分)が今後10~20年以内にAIやロボットに代替されるらしい。

また、世界の2470万人分の仕事が今後10年でなくなり、新たに生まれる仕事は1490万人分に止まるとも。

 

調査DATAの正確性はもとより、書かれている内容の凡そはそうなのだと思う。

既にその実例として、某コンビニの無人店舗化で生産性が2倍に上がった話や、某リース会社の書類処理作業削減で14万時間分の業務削減の話もレポートされている。

 

しかしながら、興味深いのは特集の結びだ。

「AIが経済を制しても人の心は支配できない」とのコラムが最終頁に設けられている。

「人の本当の豊かさとは何か」との件があり、同様の観点は北海道富良野市在住の作家・倉本聰氏も指摘する。

 

そう、便利になる事と心が豊かになる事は別次元に位置することなのだ。

 

私自身、サラリーマン時代には、所属組織の生産性向上を目指して働き方改革の推進役を担ったこともある。

上記同様「第4次産業革命」の観点を借用しながら。

しかしながら同時に訴えたのは、

「だからこそ、人間にしか担えない仕事に集中すべき」

とメッセージし続けたことを思い出す。

 

便利で早いことは、間違いなく良い事。

しかしながら、もしそれだけを業務として人間が追及していってしまった場合、自らレゾンデートルを失っていく愚行に繋がっていくことにもなり得まいか。

 

そう言えば先日、ある取引先から頂いたお仕事も、

スピードやコスト生産性だけを追求したものではなく、

わざわざ手間をかけて「価値化」した提案内容に、

ご評価いただいた結果だった。

 

そこには、知恵と経験を練り込んだ提案プロセスがあったと思う。